いや~炭素循環農法を研究すればするほど、自然農、自然栽培についての理論的なことがよくわかります。
ついでに慣行農法や有機農法についてもなぜ間違っているかなどもよーくわかります。
そして、自然農法の提唱者岡田茂吉さんが戦前から提唱していた内容が最も正しいことが良くわかりました。MOAの本を読むとなんとなく炭素循環農法のことが書かれておりますが、具体的なことは読んでもよくわからなく、きっちりとした理論は炭素循環農法に出会うまでは全くわかりませんでした。
このまま自然農や自然栽培をやっていたらおそらく収量は上がらなかったことでしょう。
(いや~またしても危なかった)
なるほど、地力というのは微生物や細菌の力ということが良くわかりました。
自然農法のモデルは山の森の循環がモデルです。
何も肥料を与えずとも何百年または何千年も生き続けて全く病気になったり虫にやられることはなく、栄養源(この表現が間違いで窒素が正解)については、木の落ち葉などが堆積して微生物や細菌による分解時に発生する窒素であり、落ち葉や雑草の枯れたもの(炭素)が供給され続ける限り、微生物や細菌が生き続けて窒素が発生、永久に生きるという仕組みです。
これは森の木々が自分の生長に必要な窒素を得るために、微生物や細菌に餌(自分の落ち葉)を与えているということになります。
さらに、木の大きさに比べてなんだか落ち葉の量が少ないのではと思ってしまいますが、植物に必要なのは肥料ではなくあくまで窒素であって、窒素は木の大きさに比べればごく少量で十分なのです。
植物を構成するのは光合成によって得られる炭素です。(これはは小学校で学習済みです。)
炭素循環農法で自然農を考えると、たとえば川口さんは作物に勢いがなければ米ぬかを根元に少量ふりかけるとおっしゃっていますが、米ぬかを肥料的に考えていた時は”はたしてこれだけの量で足りるのかなー”と思いましたが、実はこれは微生物や細菌に餌を与えているのであって、決して作物に肥料を与えているのではないことがわかります。
そして、米ぬかは彼らの大好物であるため、投入後すぐに分解され、即時窒素が発生して作物に有効であることが理解できます。
自然農の場合は、雑草は決して持ち出さず刈ったらその畝に敷き、徐々に枯れて最後は微生物や細菌の餌になります。
さらに、根はそのままなのでこれも炭素なので彼らによって分解されます。
長い年月がたつと土が豊かになるとみなさんおっしゃいますが、これは徐々に土の中にも微生物や細菌が増えていくからだと思います。
微生物や細菌が多ければ多いほど雑草の分解が早く進み窒素を多量に放出、窒素がたくさん必要なキャベツなども容易に育てることができるようになるということなのでしょう。
また、若い地力のついていない畝では、作物の生長が遅い場合や窒素不足の症状(葉が黄色くなる)が出た場合は、微生物や細菌が活発ではないとのことなので、積極的に米ぬか(餌)を撒いて彼らの活動を活発にすればよいということになります。
決して、我慢して待つのはよくないということが理論的にわかりました。
自然農を始める際は、初めのうちは米ぬかが必需品になりそうですね。